支持層地盤に達していないのが原因か?
大手デベロッパーの住友不動産(東京都新宿区)が2003年に横浜市で販売したマンションに、建物を支える杭の長さが足りないという施工ミスがあったことが7日、一般紙の報道などから明らかになった。
(住友不動産のマンション公式ホームページより)
問題となっているマンションは横浜市西区にある「パークスクエア三ツ沢公園」。03年に販売された分譲マンションで、11階建て5棟262戸、間取りは3LDK~4LDKが中心だ。
地下鉄三ツ沢上町駅から徒歩14分、JR横浜駅から徒歩20分の魅力的な物件で、販売時の価格は2700万~6500万円。
報道などによると、建物を支える杭が「支持層」と呼ばれる強固な地盤に達しておらず、建物がわずかながら傾いている状態にあるという。
住民の目撃談などから、販売半年後にはすでにエレベーターに向かうための渡り廊下の接合部にずれが確認されており、そのずれは年々大きくなっていったそうだ。
住民の要望を受け、昨年、施工業者の準大手ゼネコン熊谷組が調査を行ったが「東日本大震災を含む数回の地震が影響しているのでは? 」という見解が出されたため、住友不動産では「問題なし」と判断。改めて住民側が1級建築士に依頼し、古い地形を調べて設計図と照合したところ、 杭が旧地形の地表に届いていない可能性が浮上した。
購買欲を下げてしまう原因にも!?
住友不動産では該当マンションの現状に対し「安全だと言い切れない」として、住民に仮住居への転居を要請。転居費用や家賃は同社が負担するとしている。補強や建て替えの検討も行っており、費用はすべて同社が負担。買い取り補償も視野に入れており、価格は個別に交渉するという。
東京五輪や建設費高騰などの複合的な要因により、分譲マンションの価格上昇が囁かれる中、マンション購入欲を下げてしまうような「施工ミス」は業界全体で絶対に阻止しなくてはいけない事象だ。

住友不動産のマンション(公式サイト)
http://www.sumitomo-rd-mansion.jp/