異業種連携で波力発電設備開発
今月4日、ファクトリーオートメーションに強みを持つ協立電機は、マンション建設販売を手掛けるヨシコンと資本業務提携を結ぶと発表。19日に協立電機はヨシコンの発行済み株式総数の1.15パーセントにあたる9万2100株、ヨシコンは協立電機の発行済み株式総数の1.66パーセントあた7万2700株をそれぞれ取得する。
協立電機は、インテリジェントFAシステムの開発を軸に多業種にわたるシステムを構築してきた。その一環として太陽光発電、波力発電等の装置及び技術開発に参加。今回提携するヨシコンは、コンクリート構造物の製造、施工、研究に強みがあるため、共同して実験プラントの建設を手掛けることになる。
越波式波力発電とは
この発電装置断面図は重力式躯体の断面図で、図には3つ半の躯体があり1つの躯体の幅は20m、奥行き高さともに5m。図では右側が外海、左側が海岸線側。
図は波が遡上している途中の様子を描いている。その後、躯体に設けたスリットから貯水槽に貯まり、貯水槽の底部の穴からプロペラを経由して海水が流れ下る。この一連の波の運動エネルギーを、いったん位置エネルギーに変えて、これをプロペラの運動エネルギーに変換することで発電するものである。
FA技術活用による夢の新エネルギー
協立電機は、平成24年9月より東海大学教授の田中博通氏の波力発電プロジェクトに参加してきた。波力発電は24時間365日稼働することが強みだ。天候や季節の影響も受けにくいため、設備の稼働率が高く「年間発電量=出力×稼働率」という式に従うと、年間発電量が多くなる。
現在開発中の装置は、50年に1度の波に耐える。そして、開発中の波力発電設備では発電機をなるべく一定の出力で安定して常時動かす必要がある。同社の持つファクトリーオートメーション技術(制御技術)がそこで役に立つ。
協立電機とヨシコンは協力して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証研究となる、出力25kWの波力発電設備を御前崎に設置する。35年利用でき、40円/kWhの発電が可能な装置となるはずだ。海洋国ならではの強みを生かした夢のエネルギー出現の日も近い。

協立電機ニュースリリース
http://www.kdwan.co.jp/ir/img/ir_20140904b.pdfNEDO